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○部分に分けるとうまくいく? 大きな組織や系を考えたとき、その全ての要素を考慮に入れながら最も良い状態を作り上げることは非常に困難といえます。つまり全ての要素の相互作用に目を行き渡らせ全体を持ち上げていくようないわば中央集権的発想は逆に破綻を招き易いといえるでしょう。 これに対し地方分権的考え方が部分組織化なる考え方です。効率よく部分に分けその部分ごとに最適化を計ろうということです。しかしながら部分に分けその部分ごとの最適化を行い全体の系の適用度を上げようとするわけですから絶対的な適用度という点からすると残念ながら真の最適とはなりえません。但し全てを見渡しその適用度を上げようとするよりは、部分部分に分けることにより想定パターン数が大きく減少する事から極めて現実的、効率的といえるでしょう。勿論最終的には部分組織間の統合を考える必要はありますが。 巡回セールスマン問題でいうと、全体をまず各エリアに分けそのエリアの中での最適化を図り最終的にそのエリア間をつなぐという手法です。これなら超天文学的パターン数を取り扱う必要が無くなり現実的な解決を図れるわけです。 しかしながら当然問題点もあります。先にも触れたように絶対的な真の最適は得られないという事とその部分の分け方により全体の適用度が大きく変化するという事です。 前にも紹介したように風洞実験において単品で最も良い性能であるウイングは整然とした乱れの無い気流環境下においてその性能を最大限発揮するため、周辺の気流環境の異なる模型に取り付けると当然ながら同様の最高性能を出すはずも無く、車載における周辺気流環境やディフューザー効率、その他の複雑な相互作用に適した別のウイング形状が必ず存在するはずで、単品で良いものであってもむしろ悪影響すら引き起こす可能性があるということです。ですからこの場合エレメント単位にまで部分に分けてしまうと適用度を上げられないといえますから、少なくともその部分に影響度の大きい一定の範囲を1つの部分組織と捕らえる必要がありそうです。 重要な事はその組み入れられる部分組織内においての適用度であり、もっというと単品でいくら性能が良くても組織内で起こりうる複雑な相互作用環境の中で性能を発揮しなければ何の意味もなさないということです。このあたりは組織における人事についてもいえる事かもしれませんね。 また、部分に分ける際、感度というものも重要な判断材料となるでしょう。感度とは全体の系に対する影響度の度合いで、巡回セールスマン問題のようなものでは適用は難しいのですが、通常私たちが直面する諸問題の多くに存在するはずです。つまり、この部分を変化させると全体の性能、適用度に大きく影響が出るが、この部分を多少変更しても全体に対する影響が少ないというものです。 実車のセッティングにしてもエレメント単位での局所探査法による最適化を図る傾向が強いのですが、実際には*****(企業秘密です)。 このような方法はレーシングカーのセッティングのような場合だけでなく比較的広範囲の最適化問題に適用できるかもしれません。設計作業、各種研究活動は本より企業内組織のあり方や経営的判断時にも効果を発揮する可能性があります。また、同時に取り留めなく手出しするよりもはるかに整理もつきやすく考察も行い易いように思われます。 ただ、この方法においてもどのようなパートで部分組織に分けるか、また部分組織化した中身に関してもかなりの絞込みが必要となるはずですから、それをどのように考えるかといった問題が出てきます。また部分組織同士の複合的相互作用やカオス的要因もある程度イメージしておくことも必要となり、こうなるとやはり情報や経験、勘とセンスが要求され現実的には科学的な数理計算に頼る最適化は不可能といえます。
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