Introduction
Episode 1
Episode 2
Episode 3
Episode 4
Episode 5
Episode 6
Episode 7
prologue
presentation
shake down
report 1
report 2
report 3
report 3.5
report 4
report 5
report 6
report 7
report 8
press release 1
press release 2
suzuka test
test record
F105 over view
1996年当時、HPに掲載したレポートの復刻版です。
cover page
P1 - P2
P3 - P
4
P5 - P
6
”絵本”のイメージで作られた当時のプロポーザルを編集し掲載しています。
童夢F105無限開発レポート VOL.2
4月27日、28日
デモラン
鈴鹿サーキット
4月30日、5月1日
開発テスト
MINEサーキット
4月10日、11日両日のテスト終了後、これでやっと初期トラブルが解消し、本来の目的である速さを追及する作業に専念できると思い、1つだけ肩の荷が下りたような気分で次回のテストに向けて準備を進めました。
しかし、その前にてっきり中止になったと判断していたフォーミュラ・ニッポン開幕戦、鈴鹿サーキットでのデモランを急遽実施しなければならない羽目に 落ち入り、メカニックのローテーションやドライバー選びなど大騒ぎとなりましたが、何とか体裁を整え、ドライバーもどうせなら身内からと言う事でF3 2連勝のご褒美も兼ねて脇坂寿一に決定しました。
当日はF1初体験の脇坂も相当緊張していたようでしたが、実は我々スタッフはその何倍も緊張しながら脇坂のスタートを見守っていました。
大勢の観衆の中、ギクシャク下手な走りを見せてほしくはないけど、一生懸命走られても恐いものがあるし、でも、とにかく壊すのだけはやめて、と一同注目の中、当の脇坂はさすがF3 2連勝は伊達じゃない立派な走りっぷりを見せ、無事大役を果たして見せました。
しかし、この予想外の走行のおかげで4月30日、5月1日からの本格的な開発テストへ向けてのメンテナンス作業が不充分となりマルコ・アピチェラへの ペダル・セッティング等が当日の作業となってしまい、この為、もったいなくも4月30日の午前中は走行出来ず、午後からの走行開始となりました。
午後の走行開始は、先日、鈴鹿のデモランの際に脇坂が95km分使用した中古のBコンパウンドでスタート、マルコは様子を伺うようにスローペースで走行を開始しましたが、セミオートマでシフトダウンを行う際にアクセルをふ かし、回転を合わせる作動をするブリッパーが効かず、いろいろコンピューターのセッティングを変更してみますが一向に直りません。再度調整した後、18ラップ目にピットインした時にもマルコはダメダメと首を横に振っていました が、その時、後でカウルを開けていたスタッフが「こりゃ、だめだ」とエンジン後方を指差しました。
結局、ブリッパーが押しているスロットル・リンケージ部分が折損していたのですが、ほとんど作動していないブリッパーの調整を延々と続けていたのも経験不足の悲しさと言えるでしょう。
しかし、この部分の交換には時間がかかるので、マルコに足で調整しながら走行するように伝え、逆にマルコのシフトダウン時のスロットルワークのデータを収集し、今後のブリッパーのセッティング資料とする事にしました。 この時点(18ラップ目まで)でのベストタイムは1分18秒75で、結局、またもやセミオートマ関係でもたつき、まともな走行には至りませんでしたが、ま ぁ、ブリッパーは足で替えれば済む事ですから、ここは明日に備え、異なる空力セッティングを試しておきましょう。
マルコはまだこのタイムでは特にハンドリングに対して言うべき事はなさそうですが、我々はセッティングによる変化量を知りたいので、ダウンフォースを 増やす方向としてリアウイングをタンデム(2重翼)に変更、また、車高をフロント約3mm、リアを約1.5mm下げましたが、ちょっとした手違いでタンデムを 取り付けるとミッドウイングが15mm下がってしまう事が解かり、これはダウンフォースが減少する方向である為、風洞実験にない組み合わせとなり、ト ータルのダウンフォースの増加量は正確には解からなくなってしまいました。
しかし、マルコもフィーリングは良くなったと言っていますし、今まで左前後のタイヤ内側にタイヤカスが推積したようになっていたのがきれいに当たるようになったので、良い方向である事は確かです。
この日はあいにく大変に風が強く、パドックに立てられたドラム缶があちこちで吹き飛ばされて転がったりする程で、特に砂が出やすいこのコースでは路面状況が悪すぎる為、ラップタイムは参考になりませんが、最終ラップと なった23ラップ目に1分17秒52を記録してこの日の走行を終了しました。
ここで明日の目標となるラップタイムについて考えてみたいと思いますが、実はこの数値の設定も諸説紛々で、ステップドフロアになった現在のF1マシンは美祢ではF3000より遅いとか、1台のみで走行している限りレコードラ インは出来ないので1.5秒は遅いとか、この砂では2秒は遅いとか、もう全て足せば既にF1のポールポジションは堅そうですが、リーズナブルなところ、 現状のコンディションで現行中堅クラスのF1マシンがレースセッティングで単独走行したら良くて1分12秒位だと想定しています。比べて我がF105は まだまだ未完成であり、エンジンパワーもフルに使っている訳ではないので、今回に関して言えば1分15秒前半が出せれば上出来だと考えています。
さて、我が童夢F105も出来立てのホヤホヤ気分でいる内に、もう既に550kmを走行し、エンジン換装の時期となりました。
また、同時にキャンバ角をフロント-15'、リア-30'に変更し、ダウンフォースと同様に変化のフィーリングを確認します。
初めての為、数時間を要したエンジンの積み替え作業が終わった夜半から小雨が降り出し、5月1日の朝の路面はセミウェットからスタートです。
空力セッティングは昨日15mm下がってしまったミッドウイングを正規の位置に戻し、リアのタンデムウイングをホール1(最もダウンフォースの少ない位 置)+ガーニーフラップでスタート。ところどころで水しぶきをあげながら1分30秒ペースで走行を続け、途中バンピーな所でフロント部分が当たるので 車高を少し上げる等細かな調整を行いましたが、特に問題はないので、昨日に引き続き大巾にダウンフォースを増やしてその変化を調べてみる事にしました。
この頃には路面はほとんどドライとなり、相変らず砂っぽい状況ではありますが風もなくコンディションは良好です。
16ラップ目、フロントウイングのフラップを3ホール分上げ(H10)、リアのタンデムウイングをH3(最大位置)に変更してスタートしましたが、5ラップしたマ ルコは安定感は向上するが、逆に今まで良かったバランスは悪化し、ややフロントダウンフォース不足を感じるとコメントしています。
しかし、今まででは一番フィーリングが良いと言うので、ではそろそろタイムアタックでも行ってみましょうかと、ふと新品のCコンパウンドのタイヤの方を 見やれば、何と!タイヤウォーマーがかけてないではありませんか。と言うのもマルコは今日の便で帰国するので午後は走れません。走行終了時刻もせまっているのでやむなく同じタイヤで少し気を入れて走ってもらう事にしま したが、この頃はこのBコンパウンドのタイヤ寿命は尽きており1分17秒46がマルコのベストタイムとなりました。
マルコによるとハンドリングに関してはセッティングを進めれば問題はなく、ダウンフォースも充分と思われる。但し、ブレーキング時にシフトダウン時の ブリッピングの調整不良によるショックか、リアの挙動が不安定となる傾向があり、ついにフルブレーキングが出来なかった。また、ブレーキはスポンジーな感じでストロークも多く、その為に奥の方でステアリング・シャフトに足 が当たり大変不安だという事でした。
いずれにしても、タイヤ温度は走行後もぬるま湯程度でブレーキも全く焼けてはおらず、まだまだ本気で走っているようには思えませんが、この慎重さが大切なF105の開発を委ねる大きな理由の1つでもあります。
さて午後からは中野信治のドライブに変わりますが、最初の3ラップは撮影用の走行とし、その後は自分のペースで走るように指示しましたが、16ラップ目に1分16秒台に入ったところでピットイン、今度はサスペンション・ジオメ トリーの変化のチェックを行います。
リアのトップウィッシュボーンの内側の取付位置を変更してスタート。同時にレブカットのパターンの変更も試してみます。このレブカットと言うのはシフト 時にエンジン回転を自動的に下げる方法として、PIシステムからECUに制御信号を流し点火をしなくさせる方法ですが、この点火をさせないパターンが いろいろあり、ブリップ量と共にセミオートマの使い心地に関する重要な要素の1つとなっています。
中野は1分16、17秒台の走行を続け26ラップ目にピットイン、ジオメトリー変化については特に感じなかったようですが、ハンドリングは問題ないという 事なので今度は前後ダウンフォースを減らすテストを行い、その結果を反映したセッティングで最後にCコンパウンドによるタイムアタックを行う予定とし ました。
この空力セッティングを判断する為にペースを上げかけた3ラップ目に突如忘れかけていたセミオートマの油圧回路にトラブルが発生し、コース上でストップ、そのまま時間も残り少ない為に今回のテストは終了となりました。 走行後の中野のコメントもブレーキング時のリアの挙動不安を訴えており、シフトダウン時のブリップにも違和感が残るようです。ただ、ハンドリングについてはマルコと同じくあまり文句がない、すなわち、大変に良いと判断で きる状況であると考えています。
マシンの熟成にあまり時間がない割にはデータ収集も同時に行う必要があり、各種試験を繰り返しながらのセットアップということでポンポンとタイムを叩き出すという訳には行きませんが、次期車輌の開発にも、今、充分なデ ータ収集を行いF1マシンによる風洞試験結果と実走行の相関等の確立を急ぐ必要もあります。
Cコンパウンドでタイムアタックできなかったのは残念ではありますが、まだまだ納得のゆくタイムが出せるような段階でもなさそうです。
また、解かっていた事ではありますが、F3000と比べると格段と技術範囲が広いので開発にあたるスタッフのキャパ不足も否めません。
他の業務との兼ね合いもあり、世間のゴールデンウィークを横目で見ながら、誰も休む暇もなく疲労も蓄積しています。
それでもあの音を聞く為、あの走る姿を見る為にまた限界を越えてしまうのです。
これはもうほとんど病気としか言いようがありませんが、今のところ治療の手立てはありません。
次回のテストは5月13日、14日、MINEサーキットで行います。
||
DOME NEWS
||
WHAT'S DOME
||
MOTOR RACING
||
DOME MUSEUM
||
||
DOME BBS
||
WANTED
||
MAIL BOX
||
LINK
||