Apr.19.2010 
童夢オープンガレージは予想外の賑わいの中、 なんとか無事に終了しました。



私の人生で何回かは、私にレーシングカーを作るチャンスを与えてくれた人がいますが、そのほとんどはレースに勝ちたいためであり、レーシングカーを作ることに対する興味や日本製のレーシングカーで海外のレースを制覇するというような技術的冒険という話ではありませんでした。
現在においても我が国では、FCJやFNなどのシャーシは迷わずに輸入品を選びますし、ルマンやF1に参戦する場合は外国のコンストラクターに丸投げするのが一般的です。
そういう環境でずっとレーシングカーを作ってきた私としては、日本でレーシングカーを作るということはそういうものだと思い込んでいますし、別に今更、拗ねたり僻んだりしている訳ではなく、単純に、ホビーとしてレーシングカー作りを楽しむようにしてきました。
だから、今までも大量に残ってしまうレーシングパーツ類は廃棄物として適当に処分してきましたし、土台、レーシングカーに興味もないのに、その残骸のこんなガラクタをほしがる人は居ないと思い込んでいましたから、土曜日の朝、社員から予想外の人数が集まっていますと聞いたときは、正直、何なの??と驚きました。
君たちいままでどこで息を潜めていたの?って感じですが、まあ、おかげでかなりの品物が処分できて、おまけに予想外の売り上げがあったようなので、タイの恵まれない子供たちをたくさん救えるようになりました。
初日に混乱を招いたのは我々の不手際であり不愉快な思いをされた方にはお詫びを申し上げたいと思いますが、ブログ等では感謝の言葉より批判的な内容が目立ちますし、正直言って、これだけの金と手間と時間をかけたサービス的イベントにまで文句を言われるとかなりがっかりしてしまいますね。お騒がせして申し訳ありませんでした。

プラテープ・スクサ・スクール(タイ)
およそ35年前、かねてよりタイへ進出していたワコールが、日本人が運営する孤児たちを救済して育てているプラテープ・スクサ・スクールの存在を知り支援を開始しました。
しかし、タイの地方の村ではまだまだ貧困な人たちが多く、見かねた校長の永原先生がどんどんと孤児たちを受け入れるものだから、現状、350人の大所帯となり資金不足が常態化していました。
そこで、タイではある意味でワコールの軒先をお借りしているDOME COMPOSITE THAILAND(DCT)としても協力すべきと、DCT発足以来、わずかではありますが支援を続けてきました。
今回の童夢オープンガレージでの売り上げは、おかげさまで約210万円となりましたが、この全額をプラテープ・スクサ・スクールに寄付します。
現在のタイは政情不安なので渡航を躊躇していますが、次回、DCTに行く際に授与し、追ってその様子をお伝えしたいと思っています。
このような慈善(偽善)的な行為に関しては、よく、そんな一部の子供を救ったところで、世界中にはその何十万倍もの恵まれない子供たちが居るんだから焼け石に水的な批判を受けますが、そのすべての子供たちを救うことは神様だって出来ないんだから、身近でかかわりのある部分だけでも手助けすることはBetter than Nothingだと思っています。
また、卒業しても仕事がなければ生活できませんから、今年からは就学中に職業訓練を行い、将来的にはDCTなどでの雇用も推進していきたいと計画しています。
林みのる

   
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