Oct.18.2010 ECOL DOME SUPER INSIGHT デビューウィン

INSIGHT RACE

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10月16日、富士スピードウェイショートコースでエコカーカップ2010第2戦が開催され、かねてより童夢で開発が進められていた、ECOL DOME SUPER INSIGHTが初出場し、デビューウィンを飾りました!
ECOL DOME SUPER INSIGHTは、いままで童夢が独自に培ってきたレーシングカーの開発技術の中核を成す空力と軽量化技術が、自動車の省エネに必要不可欠な技術要素であることを実証するために、空力改善と軽量化によって、市販のエコカーの燃費を20%削減することを目標に進めている独自プロジェクトです。

したがって、ECOL DOME SUPER INSIGHTは、空力の改善と軽量化しか行っていませんが、空気抵抗を15%、車重を90Kg削減しています。軽量化に関してはまだ開発途中であることとフルアンダーパネルの重量追加分が加算されていますので、最終的な軽量化目標は-150Kg以上(空力追加物等の重量は除く)を目指しています。

全27台のエントリー中、初代インサイトが3台、CR-Zが2台のほかは、すべてプリウスで、新型インサイトの出走は童夢のみでした。また、プラグインハイブリッドのプリウスが賞典外で出走していました。
メディアとしては、朝日新聞、毎日新聞、ベストカー、カートップの4社が参加しており、それぞれメンバーがエントリーして記事作りをしている様子でした。
パドックでのECOL DOME SUPER INSIGHTの注目度は高く、いろいろなエントラントが代わる代わる、写真を撮ったり、質問を投げかけてきていました。

童夢レーシングチームのECOL DOME SUPER INSIGHTは、ドライバー:土屋祐輔・近藤翼
ナビゲータ:天澤天二郎(童夢):マネージャ:星学文(童夢)の布陣でインサイトEXPクラスに参加しました。

レースの詳報
第1ステージはくじ引きで9位となり4点を獲得。

第2ステージは10分間のフリー走行となります。規則でナビゲータが同乗しペースと走り方の確認を行いました。
ドライバーのコメントとしては、バランスは良好、クイックに走れるとのこと。
フリー走行のタイムは得点には影響しませんが、CR-Zの改造車に約1秒離され2位となりました。

第3ステージは10分間のタイムアタック(燃費は考慮されない)でしたが、フリー走行で若干リアが不安定とのことなので空気圧を微調整。
土屋選手がひたすらアタックした結果、残り1分で、40"551のタイムを出しましたが、フリー走行でも速かったCR-Zには1秒届かず2位となり22点を獲得しました。
ECOL DOME SUPER INSIGHT はブリヂストンのエコタイヤを装着していますが、CR-ZはPOTENZAのスポーツラジアルを履いているようで、排気量差も加わり、登りへの切り替えしでかなり差が開くようです。
このステージの最中、童夢が開発を進めている超軽量CFRPホイール周りから異音がするとしてピットイン、右のフロントホイールがポジティブキャンバーになっています。
ディンプル付ホイールカバーを外すとCFRPホイールのホイールボルト穴付近から大きく破損しており、左前輪も右ほどではありませんが、破損が始まっていま した。規則では破損した車輪のみ交換できますので、前二輪をアルミホイールに交換しました。
このCFRPホイールは、このエコカーカップの為に特別に製作した超軽量版で、単純に、軽く作りすぎて激しいコーナリングに耐えられなかったようです。

第4ステージは給油のみでポイントには影響しません。西ゲートに移動しオフィシャルが満タンにして、ここから燃費走行が始まり、続く第5、第6ステージの燃料消費量での加点が最もレース結果に影響することになっています。

第5ステージは3つの組に分かれて15周のスプリントレースとなっており、規則によりナビゲータが同乗しペースをコントロールします。
タイムアタックの順位でのスタンディングスタートとなりましたが、ECOL DOME SUPER INSIGHTは若干スタートに手間取るものの順位をキープしてスタートしました。
程なく、ペースを落としたCR-Zを抜いて首位に上がりましたが、これは我々のペースを見ながら走る作戦に切り替えたようで、他の参加車両もそれに続いたので数珠繋ぎの構図でレースは進行していきました。
ECOL DOME SUPER INSIGHTは、ひたすら計画通りのマイペースで走行を続けるうち、最終ラップ手前でCR-Zをはじめとする後続に次々とパスされて、同組では6位、総合では10位となりました。

第6ステージは、35分間の耐久レースとなっており、このステージも3組にわかれて8台でのレースでした。
途中2回のドライバー交代のピットストップが義務付けられており、ナビゲータの同乗も義務付けられています。
周回数が多いほうが順位点では上位に行けますが必然的に走行距離が伸びるため、不要な周回は燃料消費を増やすだけですから、ナビゲータが助手席で燃費とタイムを見ながらペースをコントロールします。
スタートから、ほとんどのチームは、どんどん前に行ってしまいましたが、ECOL DOME SUPER INSIGHTはマイペースをキープ、平均57秒台に乗せて走行をつづけました。
10周目にピットイン、ドライバーを近藤選手に交代した時のピットインのロスタイムが予定より長く、その後のペースを調整する必要が出てきましたので、2回目のピットストップに備え、少し速めのペースで周回を重ねることにしました。
予定通り、25周目にピットイン。ドライバーを土屋に交代。
最終的な周回数が35周に満たない場合は大幅なペナルティが加わるので、多くのチームは35周に合わせてフィニッシュすると思われますが、順位点で他車を上回るために1周多い36周でゴールする戦略をとりました。
最後の2周をほぼ全開として35分で36周を走りチェッカーを受けました。この第6ステージでの順位は16位であり、残るは燃料消費量での加点によって順位が決まります。
給油所まで低燃費走行で移動して満タン給油、給油量は2.81リッターでした。
前回、燃費1位のムーンクラフトのプリウスより0.09リッター給油量は多かったのですが、ムーンクラフト号はレースの順位が低く、ペースの速かったCR-Zは4リッターも消費しているので、結果は総合優勝!!!

まだまだ開発途中のECOL DOME SUPER INSIGHTですが、このような競技の場が出来れば技術者のモチベーションも高まりますし、ますます開発は加速度を増すはずで、これこそ、自動車レースの正しいあり方だと思っています。
「レースは走る実験室」という言葉が懐かしく思い出されます。

各ステージの順位
第1ステージ
1. No.34 プリウス(改造)6pts
2. No.33 インサイト(ZE1ノーマル)6pts
3. No.1 インサイト(ZE1改造)6pts
..
9. No.18 インサイト(ZE2改造)4pts

第3ステージ
1. No.6 CR-Z(改造)23pts
2. No.18 インサイト(ZE2改造)22pts
3. No.123 プリウス(改造)21pts

第5ステージ
1. No.1 インサイト(ZE1改造)27pts
2. No.3 インサイト(ZE1ノーマル)26pts
3. No.810 プリウス(ノーマル)25pts
..
10.No.18 インサイト(ZE2改造)17pts

第6ステージ
1. No.110 プリウス(ノーマル)54pts
2. No.6 CR-Z(改造)52pts
3. No.34 プリウス(改造)50pts
..
16.No.18 インサイト(ZE2改造)24pts

第7ステージ
1. No.3 インサイト(ZE1ノーマル)108pts
2. No.99 プリウス(プラグイン)104pts
3. No.2 プリウス(改造)100pts
..
4. No.18 インサイト(ZE2改造)96pts

総合
1. No.18 インサイト(ZE2改造)163pts
2. No.1 インサイト(ZE1改造)161pts
3. No.3 インサイト(ZE1ノーマル)154pts