金石年弘
比較的慎重でじわじわとタイムを上げて行くタイプのようです。ブレーキの使い方の習熟 に時間がかかっており、最終的にもブレーキ液圧がS.Pilippe
選手に比べ70 〜80% 程度しか立ち上がっておらず十分に使えていませんでした。
始めてのニュータイヤ アタック時に同じタイヤを使用しているドライバーに比べ 約0.5 秒遅い結果でしたが、これはベストLAP
時にシフトミスを犯した影響が大 きく、このシフトミスにより約0.4 秒のロスタイムがあり、実質的には0.1 秒遅れが その時点での実力と思われます。
しかしながらLAP タイムは安定しており十分な時間と距離を走り込めば"安定型 ドライバー"として育ちそうな気配が感じられました。
ただ、今回テスト中に士気、闘志があまり感じられなかった事は彼のキャラクターかも 知れませんが、少なくともチームを動かすような迫力はなかったといえます。
|
Jonathan Cochet
彼も比較的慎重なタイプでありますが、コメントがしっかりしており自分自身のスタイ ルを既に確立しているようなイメージです。ドライビングに影響の出るブレーキ、アクセルのペダルポジション等にも自分の要求をはっきり出しプロとして妥協しない姿勢は評価に値すると思われます。
初めてのニュータイヤと2 回目とも、R.Lyons 選手に遅れを取っていますが、後半はユ ーズドタイヤでも比較的良くまとまった好タイムを記録しています。
ドライバーとしてのパフォーマンスはかなりの物を持っていそうで、機会があれば再度テストしてみたいと感じさせる魅力的なドライバーではありました。
とにかくコメントは細やかで、特にコンストラクターにとって重宝するタイプのドライバーです。 |
Richard Lyons
今回テストで最も士気を感じさせたドライバーでした。年齢はまだ22 歳と若く経 験という面では他のドライバーに劣るのは仕方の無い事ですが、それをもハンデ
ィーとしない迫力を感じさせました。
中古タイヤによる慣熟走行時においても確実にライバル達に1秒近いタイム差を常に記録しており、最後のNEW タイヤアタックでも見事に25
秒台に入った事は驚きでもあります( 昨年開幕戦Ti 予選タイム S.Philippe 選手は1'26"2 でありポールポジションの道上選手で1'25"6
であった)。
タイムが速い分ミスも何度か見受けられましたが、今後のテスト走行でクルマに慣れれば十分に補える範囲と考えています。
自分が走行していない時はロガーデータを見るか他のドライバーの走りを観察にコースを見て回る等非常に勉強熱心で、またその成果をすぐに発揮した点でも高く評価できます。
彼のインフィールド区間の速さは特筆物であり、細かなテクニックの面でも秀でた能力を感じさせ、今後の飛躍も十分期待できるドライバーであるとの印象をもちました。
|
Darren Manning
彼だけ時間の都合で最終日1 日のみの走行となりましたが、走り出しから悪くないタイ ムを出し、初めてのニュータイヤにおいて、ソフトタイヤではありましたが1'26"2
を記録 し驚かされました。
非常に短い時間でクルマの特性を上手くつかみ習熟の速さは別格です。
特に最終コーナー出口から1 コーナー進入までをサインガードから見ていると、普段のレギュラードライバーの走りを見ているようで、安定感とスムーズさは他のオーデションドライバーに一歩先んじていた感があります。
最後2 セットのニュータイヤでは結果的にはR.Lyons 選手に差をつけられましたが非常に高い能力を持っている事は間違い無く、魅力的なドライバーではありました。
キャラクター的にも常に冷静で余裕を持った振舞いが見られ精神的な強さをイメージさせられます。 |