Jun.20.2002 全日本GT選手権用「Ferrari 360 Modena」開発のお知らせ

Ferrri

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株式会社 童夢では現在、来期の「全日本GT選手権レース」(JGTC)GT−300クラスへの参戦に向けて「Ferrari 360 Modena」のJGTC仕様車を開発中です。
とは言いましても、実はこれは童夢の林 みのる(私ですが)と、私の旧友である田中慶治氏との非常に個人的な付き合いの中から生まれた話で、いわば趣味の世界の話ではあります。
田中氏は今を去ること30数年前に、私の造った「マクランサ」や「くさび」でレースに参加していましたが、その後、事業に専念するためにレース活動を中止。永らくレースとは無縁の生活を送っていましたが、公私共に余裕の出てきた1997年から「Ferrari Challenge Cup」などのレースに参加するようになり、最近では「Team GAINER」としてJGTCの常連となっていました。
田中氏も当初は趣味と言いながらも、レースを続けるうちにだんだん欲も出てきますから、そのうち私と顔を合わせるたびに「童夢で速いFerrariを造ってくれ」と頼まれるようになりました。しかし、いまどきのレーシングカーが趣味の範疇で造れる訳も無く「何とかしろ」、「無理、無理」というやり取りが続いていましたが、私もその昔、「マクランサ」や「くさび」を売りつけた弱みもあるので無碍には断れず、なんとかならないかと思っていたところ、弊社の奥取締役がなぜかこの話に興味を示し始め、いつの間にか、田中氏と奥の間でなんとか実現させようということで話が進められていたようです。
奥いわく「童夢はプロデュースするだけで全ての実作業は童夢の外注先を活用してやりますからなんとかなるでしょう」と言うことですが、なにしろ趣味の範囲内でのことなので予算は限られており、まともに取り組むにはかなり無理があります。
こうして「なんとかなる」という基本コンセプトの基に開発が始まったわけですが、しばらくするとモデルルームでは「なんとかなる計画」には含まれていなかった風洞用のモデルを製作しているわ、既製品を流用するはずだったリアウイングは、どう考えてもFerrariのテールラインに合ったオリジナルを製作中だわ、どうやら、お約束の底なし沼に両足を突っ込んだような状況になっている気配で、奥いわく「やっぱりあの計画では勝てませんから」と言うことのようです。
もう私にはどのくらい予算がオーバーするのかさえ聞く勇気はありませんが、そんな心配をよそに、松葉蟹が解禁になる頃にはこの「JIM GAINER Ferrari 360 GT」はシェークダウンの予定となっています。
そんな訳で、趣味の同好会的レベルではありますが、基本的にはNSXのGT仕様車と同じような構成の本格的なGTレーサーとなる予定ですから、JGTCではそこそこ活躍してくれると期待しています。
なお、車両完成後は田中氏の「Team GAINER」からJGTC GT−300クラスに参戦することになりますが、体制に関しては田中氏より追って発表されるものと思います。

林 みのる