Oct.24.2002 現在開発中の車輌の進捗状況をご報告します。

NSX-GTのインパクトテスト


LOLA-童夢F106/03の
静荷重試験

型取り前のマスターモデル
(現在は型取り・成形中)

Ferrari-GTのインパクトテスト

出荷を待つFD'03のモノコック

今月の童夢S101のテスト風景


現在、株式会社 童夢では、来シーズンに向けて全日本GT選手権用NSX-GT、F3マシンのLOLA-童夢F106/03、全日本GT-300クラス用Ferrari Modena 360 GT、フォーミュラドリーム用新型FD'03の製作を進めていますが、それらの車輌の進捗状況をお知らせ致します。

NSX-GTについては当初予定のシェークダウンに向けて、休日返上、昼夜問わずの非常時体制で快調に(通常、このような状況を快調とは言いませんが)製作を進めていましたが、なんとか間に合わせる事が出来ました。
来年度のNSX-GTの内容につきましてはまだ皆様に詳しくお話は出来ませんが、今回のレギュレーション変更に準じて従来とは全く異なるコンセプトの車に仕上げられています。
完成の暁には皆様の想像を越えたニューマシンとして、また史上最強のNSX-GTが誕生したものと自負していますので、来年の活躍をご期待ください。

LOLA-童夢F106/03(F3)は全体的な開発スケジュールもほぼ予定どおりに消化しています。年末年始あたりに予定している日本とイギリス同時期シェークダウンを目標に、近々にイギリスでのクラッシュテストを完了させ、新春には皆様の前に真新しいLOLA-童夢F106/03の勇姿をお披露目できると思います。

Ferrari Modena 360 GTについては製作スケジュールが少し遅れぎみで、予定の年内シェークダウンテストには間に合いそうにはありません。今のところの予定では来年の2月初旬にシェークダウンとなりそうです。
このマシンは童夢としては業務と言うよりはホビーとして開発してきたもので、各外注先にも多大な協力(犠牲?)をお願いして進めているために、どうしても他の業務に比べて優先順位が低くなり、徐々に遅れ気味になっています。
しかし、レース計画には支障はありませんから、2月から鋭意テストを重ねてシーズンインまでにはGT-300のチャンピオンを狙えるスーパーFerrariとしてデビューする予定です。

FD'03は比較的順調に開発が進んでおり年内にシェークダウンの予定です。
2003年仕様のFDはモノコックの剛性アップによる安全面の強化と燃料系の変更が主になりますが、来年早々には新型エンジンとヒューランドギアボックスに変更した04年仕様FDのテストも開始されます。04年仕様のFDは基本コンセプトである「安全で高性能なフォーミュラーカーによる入門レース」のためのマシンとして、より一層の性能向上を追求したもので、空力性能にも一層の磨きをかけ、ほぼ究極の性能を達成できたと自負しています。

童夢S101の開発も来年のル・マンに向けてまだまだ続いています。他の各車の開発が一段落した頃を見計らって、既に準備している開発プログラムを再開させることになります。来年のル・マンには今年以上に性能を向上させた車を用意する予定ですので、ヨーロッパでの戦い振りにもご期待ください。

今回のように多機種のマシンを同時期に並行的に開発・製造することは、童夢にとっても始めての経験であり、ほぼ予定通りの進捗状況からみても、全ての分野における基盤整備が予定通りに完了していることを示しており、世界に挑戦する日本のコンストラクターとして充分なパフォーマンスを手中に収めたということを実証しています。
ただし、これらの達成がいかに大変で難しく、かつ、どれほどの価値があるかということは、実際に体験した人で無いとなかなか理解できないことで、現状では単なる自己満足にしか過ぎないというところが、残念といえば残念です。