Dec.26.2002 LOLA-童夢F106/03 シェイクダウンテスト



LOLA-童夢F106/03

田中監督(左)小暮選手(右)


かねてから童夢で開発中であったF3マシン、LOLA-童夢F106/03のシェイクダウンテストがこの12月24〜25日の両日、鈴鹿サーキット行われました。
原則公開としている童夢車のシェイクダウンテストですが、非公開と言うよりは特に案内しないと言うスタンスで行われた新型NSX−GTと同日だったために、このF3のシェイクダウンテストも、ついでと言う形の非公開テストとなりました。
しかし、どこで聞きつけたか、メディアの方もちらほらと見かけましたので、どこかの媒体では報道されると思いますが。

シェイクダウンテストテスト1日目
LOLA-童夢F106/03は童夢本社で設計上のベストセッティングを施されて23日の夕方には鈴鹿サーキットに搬入されました。
午前9時、小暮選手のドライブでテストを開始しましたが、初期のチェック走行から少しペースを上げようとした頃にサスペンションアームにトラブルが発生し、中断のやむなきに至りました。これは童夢としても未経験な新しい機構にチャレンジしている部分で、やや強度不足だったようです。
直ちに本社でオーソドックスな形式に設計変更が行われ、サスペンションアームを製作している鈴鹿の「クラフトM」に送信しましたが、いかにクラフトMと言えども新設計部品を午後のテストに間に合わせるような手品は知らないようで、ぎりぎり当日内には間に合わず、やむなくこの日のテストは終了となりました。
LOLA-童夢 F106/03は当初から、ダラーラよりも飛躍的な性能向上を目指して開発を続けていましたから、見えるところも見えないところも含め、随所に革新的な技術的チャレンジをしています。今回、問題の出たサスペンションもこれらのチャレンジの目玉と言えるところですが、対策は難しくありませんから市販車には標準装備できるようにテストを続けたいと考えています。
結局、シェイクダウンテストの初日は午前中の18周で終了し本格的な走行には至りませんでしたが、小暮選手によれば大変にフィーリングは良かったということなので、明日のテストが楽しみです。

シェイクダウンテスト2日目
さすが昨日のトラブルには出足をくじかれそれなりに緊張感もはしったが、おかげでマシンチェックも充分に行い、夕方に到着した対策用のサスペンションアームを取り付ける頃には、午前中のフィーリングの良さからかえって今日のテストへの期待が高まり、ピット内の雰囲気はかなりの盛り上がりをみせていました。

午前の走行開始後、田中監督はシャーシの基本的な特性を探るように細かくセッティングを変更して、童夢−LOLA F106/03のポテンシャルを探っていきますが、一段落ついたところでニュータイヤに履き替えて軽くファーストアタック。
タイムは1分57秒5、非公式ながらいきなりコースレコードの1分58秒3を更新してしまいました。
まだまだセッティング途中、セッティング用のパーツも不ぞろいで田中監督もおかんむりだし、エキパイが暫定品でエンジンパワーも全開とはいえない状態でのいきなりのコースレコードにいやでもチームは盛り上がりますが、もう頭の中は午後のタイムアタックで何秒出せるかで一杯です。
小暮に聞いても、あまりにダラーラと異なる特性にどこまで踏んでいけるのかまだまだ限界がわからないという状態で、走り込みによるタイムアップも期待大で、いつの間にかピット内での目標タイムは55秒台突入という大それた数字が真顔で語られるような雰囲気になっていました。

午後は、風も強くやや天気が下り坂という感じもありましたが、とりあえず予定のテストを開始。セッティングを進めるうちに急に天候が悪化してきたので、急いでタイムアタックを開始しょうとしたとき、非情にも場内放送が「コースの西側で降雨」を告げ、万事休す。
まあ、残念と言えば残念ですが、シェイクダウンはこんなところで良しとしましょう。
発注がまだのF3チームの皆様、開幕に間に合わせる為には発注はお早めに!!