Apr.22.2004 「完治宣言」




ご心配をおかけしましたが、そろそろ完全復帰です。
3月7日に入院して以来、約1ヶ月を病院で過ごし、その後は自宅でゆっくりしていましたが日増しに回復していくので、そろそろ巣立ちの時期が近づいてきたと思っています。
ずっと家に居た時期が小五の息子の春休みと重なり、いつに無く一日中べったりと過ごしていたので、私が巣立ちの準備をしていると「どこ行くの?」「何時に帰るの?」と急に小姑化した息子がうるさくてたまりません。
現状、病気としては一件落着しているのですが、長期間寝ていたために、まだ起き上がると頭が重くなってきたり、歩行時にやや浮遊感があったりしますが、お医者さんに言わせると「そのうち気にならなくなります」とのことです。
まあ、私の人生そのものが浮遊感に満ちあふれていますので、先天的なものかも知れませんが。
先天的と言えば、今回の治療の過程で明らかになったのですが、ある種の奇形か後天的に詰まったのかは分かりませんが、私には普通4本ある首から頭に向かう動脈が3本しか機能していませんでした。そのためにもともと小脳への血流は充分ではなく、かなり以前から他の系統からの補助があったようで、これが通常の脳血栓による損傷のような全滅を免れた原因の一つのようです。
小脳というのは本来は運動に関する機能をいろいろ司っているところで、先天的にそこへの血流が充分でなかったということは、以前から、いわば何らかの運動障害があった可能性も高く、その証拠として、いくらゴルフを続けても1ホールごとに財布を落とすような悲惨な状況が続いていました。
思い起こせば、私が「もう、二度とゴルフなんかするか!!」とクラブを捨ててしまった最後のラウンドでは、1ラウンドのほとんどのショットにおいてボールが地表を離れることがありませんでしたが、だいたい基本的に小器用な私が、あんな止まっているボールをひっぱたくだけのゲームでこんなに下手な訳が無いのであり、とりあえず今までコースで私の財布を拾いまくっていた連中は、いわば病人を相手に搾取していたようなものですから、「金返せーっ」て言いたいのですが、本当にそれが原因だったんでしょうか?
私の場合は、警鐘的な頭痛が続いていたことを始めとして、幸いにも、全てのターニングポイントにおいて流れが良い方向に向かって行ってくれたおかげの「完治宣言」ですが、私の場合も、特に血管がぼろぼろとか血液がどろどろという訳ではなく、どうやら単純な血栓というよりはいろいろな要素が複合的に作用した緩やかな発症という感じですが、皆様にもいつ発症するか分からない病気ですし、治療開始のタイミングが全ての病気ですから、とにかく、めまい、手足のしびれ、呂律がまわらない等の怪しげな症状を少しでも感じたら、躊躇せずに救急病院に飛び込むことが重要です。ただし、脳血栓と脳内出血では溶かすのと固めるのと薬が全く反対なので、医者としてもとりあえずCTで検査しないと何も出来ません。日頃からCTのある、しかも、24時間検査に応じてくれる病院を調べておくくらいの用心深さが肝要です。勝負は30分以内の検査開始ということなので、皆様にも充分なご注意をお勧めします。
まあ、この病気をきっかけにどのように人生観が変わるのか変わらないのかこの時点では分かりませんが、今は、ほとんど生まれて以来、もっともゆったりとした時間を過ごしています。癖になりそうですが退屈の虫も頭の中を駆け巡り始めています。
そろそろ仕事の上でも完全復帰予定ですが、何かとんでもないことを言い出したら、それは脳梗塞の後遺症ですから寛大な対応をお願いいたします。まずは完治のご報告まで。

2004年4月18日   林 みのる