Mar.28.2005  鈴鹿サーキットF3合同テスト
3月23日〜25日、鈴鹿サーキットで行われた開幕前最後の合同テストにおいて、
M-TEC童夢F107は順調な仕上がりを披露しました。



1日目、テスト開始早々雨が降り出したため、最初ドライコンディションだった時の童夢F107を操る武藤英紀が記録した2分2秒008が1日目のトップタイムとなりました。もちろん、これはイレギュラーな結果ですが、午後、完全なウェットコンディションとなった後も、武藤英紀の童夢F107は6/1000秒差で2位のタイムを記録しています。
2日目、やっと本格的にドライコンディションのテストが始まりましたが、昨日の雨によって荒れたコースコンディションによりコースアウトするマシンが相次ぎ、赤旗中断が相次ぐという状況でテストは行われました。武藤英紀は、この日はセットアップに専念していたために、総合では2番手のタイムに甘んじています。
また、INGINGチームのロベルト・ストレイトも、そろそろ日本のF3環境に馴染んできたようで、仕上がりが遅れていたINGINGチームも、やっと昨年のチャンピオンチームの実力を発揮し始めたようです。
途中から雨が降り出したので、午後は、武藤英紀のスタート練習に当てることにしました。
3日目、時おり雪が舞い気温はたった7℃しかありませんが、やっと、終日ドライとなりました。経験の少ない武藤英紀に勝たせるためには、シャーシ性能に更なるアドバンテージが必要です。鈴鹿サーキットで成功するには、速いストレートスピードと高いブレーキングスタビリティが要求されます。そして、高いブレーキンググタビリティを活かして、1-2コーナーで速く走るセッティングに仕立て上げることがキーポイントと言われています。1-2コーナーを速く走ることが出来れば、同じようなスプーンカーブでも速く走ることが出来ますが、ところがその結果、続くS字カーブでアクセルを踏んだ時にアンダーステアが出るようになりました。しかし童夢では、「想定の範囲内」だったので、フロントサスペンションのセッテイングを変更し、最終的には、かなり安定的に好タイムを出せるようになってきました。
総合結果で武藤英紀は0.058秒差の2番手となりましたが、武藤の昨年の戦歴から考察しても、このシーズンオフに飛躍的にドライビングテクニックが向上する訳もなく、現状の結果は、チームのエンジニアリング能力とシャーシ性能で無理やり押し上げている状況で全く余裕がありません。一方、昨年のM-TECのドライバーであったオリベイラは、昨年も、あの忌まわしいスタートミスさえ連発しなければ楽々チャンピオンだった訳で、そのオリベイラが、一年間、日本のコースとBSのタイヤに慣熟してTOM'Sに乗るのですから脅威という他ほかありません。INGINGチームにオリベイラが乗ると思っていたので、F107のチャンピオン獲得はお任せと思っていてのに、他力本願は許されないようで、前半は苦しい戦いになるでしょう。