Aug.02.2006  子どもと楽しむ展覧会





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欧米の美術館では、学外授業の一環として、大勢の子どもたちが引率者の説明を聞きながら、絵画の鑑賞をしている光景をよく見かけます。引率者は、子どもが興味を持つようにわかりやすく楽しい解説をし、子どもたちは、優れた芸術作品との出会いに興味津々と瞳を輝かせています。
掃除機のように、周囲のあらゆる情報を吸い込んでいるような子どもの心に、これらの優れた芸術作品が与える影響は少なくありませんが、残念ながら日本では、美術館は大人のための施設であり、子どもがうろうろすることが、まるでマナー違反のように思われているような傾向すら感じられます。
子どもの持つ純粋だけど厳しい目、穢れなきやさしい心、無限大の豊かな想像力などを真っ直ぐに育み、「こころの力」として身に付くように導くというような環境が、私たちの身の回りから失われつつあるようです。
「子どもと楽しむ展覧会」は、従来の日本の美術展の形態を少し変えることにより、子どもが絵画を鑑賞することに重きをおいた、子どものための展覧会を目指しています。
子どもの前に絵画を並べておくだけでは、気まぐれな子どもたちはすぐに興味を無くしてしまうでしょう。子どもたちが興味を持つような内容の解りやすい解説書の製作や、楽しく説明してくれるケアスタッフの育成や、絵画に隠されたキーワードを探し出すゲームの企画や、いろいろな工夫が必要です。絵画の展示も子どもの目線に合わせて少し低くセッティングされています。
「子どもと楽しむ展覧会」は、1998年以来、いろいろテーマを変えながら、大分市美術館や高崎市美術館、天童市美術館など全国の美術館で17回開催してきましたが、このほど、念願の京都市美術館での開催が実現しました。
展覧会の開催には、絵画の輸送費や保険、各種の印刷費、告知費用などの出費に加え、長期にわたる準備期間が必要で、子どもたちを招待するには様々な人たちの協力が必要です。
この、「子どもと楽しむ展覧会」は、企業が見返りを求めずに芸術文化支援を行なう「メセナ事業」として、多くの企業の協力を得ている上に、企業が保有する作品の貸し出しを受けることによって、一般の展覧会ではお目にかかれないような門外不出の作品も展示することが出来ました。
(「子どもと楽しむ展覧会」企画書より抜粋)

このように、この展覧会は、多くの企業の協力によって成り立っていますが、童夢も、ささやかではありますが協賛させていただいています。秘蔵の作品にも出会えますから、子供だけでなく、皆様もお誘い合わせの上、ご来場ください。


しかし、協賛はささやかですが、陰では多大な犠牲をはらって支援しています。長期間、この展覧会の開催に向けて、何かに取り付かれたように熱中していましたから、なかなか相手にしてもらえませんでしたし、なかなかスムーズに進捗しない時期なんかは七転八倒していましたから、そばで観ているにも辛いものがありましたので、やっと開催にこぎつけてほっとしています。ちなみに、この展覧会の主催者は林洋子、つまり、家内です。
林みのる

主な展示作品
カミーユ・コロー/エドガー・ドガ/ピエール=オーギュスト・ルノワール/ピ エール・ボナール/アンドレ・ドラン/アメデオ・モディリアニ/キスリング/マ リー・ローランサン/藤田 嗣治/マルク・シャガール/アンリ・マティス/パブロ・ピカソ/ジョルジュ・ブラック/ポール・デルヴォー/ラウル・デュフィ/ロイ・リキテンスタイン/アンディ・ウォーホール/インドミニアチュール/伊藤 深水/上村 松篁/片岡 珠子/森田 曠平/杉山 寧/他