May.03.2005  SUPER GT Rd2 FUJI GT500kmレースレポート1







 


予選レポート
4月11日のFUJI 公式テストの後、Honda Racingはツインリンクもてぎでテストを行い、第2戦が行われる富士スピードウェイに乗り込みました。
基本的なスペックは共通ですが、童夢が走らせるHonda Racingの2台のNSX-GTは、それぞれ違うドライバーによってセットアップが進められているため、同じチームで全てのデータを共有していると言っても、微妙な個体差が存在しています。
先行的な開発という任務をおびていたNo.18 TAKATA童夢NSXが、空力等様々な開発に専念している間に、No.8 ARTA NSXは、ドライバーの意見を取り入れながら、実戦的なセットアップを進めるという作業分担で進めてきましたが、このために、ARTA NSXの方が先行してセッティングがまとまってきていましたので、TAKATA童夢NSXもこのデータを参考にセッティングを進めました。
もちろん、ドライバーの好みなどもありますから、全く同じセッティングにはなりません。No.8 ARTA NSXは、ほんの少し多いダウンフォースを与えるセッティングを施しており、今回のレースの場合、フロントノーズ下部に延びたリップスポイラー左右にサイドベーンと呼ばれる空力デバイスが取り付けられて、リアウイングもほんの少し大きな迎え角で取り付けられています。
No.8 ARTA NSXは順調にセットアップを進め、予選1回目、8位となる1分34秒670のラップタイムを記録してスーパーラップへの出走権利を確保すると、スーパーラップでは見事に1分33秒935で4番目のスターティンググリッドを確保しました。
対するTAKATA童夢NSXは、5月1日の練習走行でフロントスポイラーのスティが壊れて、午後、走行出来なかったことから、充分な予選用セッティングが出来ないままのぶっつけ本番で予選に臨むこととなりました。
このぶっつけセッティングが外れ、第1回目の予選ではブレーキング時にリアが左右に振られる最悪の状況だったことから、屈辱的な16位に転落。2回目の予選までにブレーキング時の悪癖を解消したNo.18 TAKATA童夢NSXは、期待溢れるセクションタイムでコカコーラコーナー(旧Aコーナー)を立ち上がって100Rに進入しましたが、そこで突然駆動力を失い、どのギアにもシフト出来なくなりました。
これまで1度も経験したことがないミッショントラブルですが、予選での失地回復のチャンスを失い、屈辱の16位が確定してしまいました。明日は、スープラとの圧倒的なストレートスピードの差に抗すべき手立ても無いNSXにとっては辛いレースとなるでしょうが、一つでも順位を上げるなんてケチなことを考えずに、オールオアナッシングの精神で、なんとか活路を見出したいものです。

スターティンググリッド
4位 No.8 ARTA NSX 1分33秒935
16位 No.18 TAKATA童夢NSX 1分35秒605