Jun.25.2005  SUPER GT Rd3 Sepangレースレポート2
改良型NSX-GTの登場



 

 

 


●改良型NSX-GT登場
いよいよ改良型NSXが登場しました。2005年バージョンのNSX-GTは、素晴らしいコーナーリング性能を持つ代わり、少々アンダーパワーだったことから、徹底的に攻めた空力開発を行っていました。
その結果、大きなダウンフォースと少ないドラッグを両立していましたが、「ブレーキング時にピッチングが発生し易い」という弱点を抱えていました。もちろん、空力的なアドバンテージを残しながら、過度のピッチングを無くすため、開発が続けられてきましたが、やっと、ピッチングを排除することに成功いたしました。
では、何処を改良したのか? と言いますと、どれか1つだけを変更したのではなく、クルマ全体を見直すことで改良を行っています。外から見て違いが判る部分は、新しくデザインされたフロントのチンスポイラーだけと言って良いかもしれません。
これらの改良によって、過度のピッチングが無くなったため、ドライバーは安心してハードブレーキングを行うことが可能となりました。
今回もう1つの大きな改良点は、No.8 ARTA NSXに3.5リットルNAエンジンが搭載されていることです。もちろん、2年前までNSX-GTにはNAエンジンが搭載されていましたから目新しい話しではないと思いますが、トップエンドでの大きなパワーによって、ターボエンジン搭載車を上回るストレートスピードを発揮しています。NAエンジン特有の低回転から高回転まで幅広いトルクバンドによる扱い易さも、大きなアドバンテージとなっているようです。
セパンでの最初の走行である1stフリープラクティスでは、No.8 ARTA NSXが2分01秒323のラップタイムで2番手に食い込み、夕方行われた2stフリープラクティスでは、走行開始直後No.18 TAKATA童夢NSXが、直ぐに2分00秒台を記録してトップを快走する一方、No.8 ARTA NSXがセッション終盤1分59秒873のトップタイムを記録しました。