Sep.02.2005  SUPER GT Rd5 MOTEGI GT300kmレースレポート2
●フェラーリ/無限がデビュー



 

 

 


 JIM GAINER InternationalはGT300クラスにフェラーリ360を2台エントリーしていますが、知られているように、これまでパワー不足に悩んでいました。しかし、新たな開発を行うには、プライベートチームには賄えないくらい大きな費用が必要とされます。ところが、今年のシーズン開幕直前、急に1ランクの性能引き下げを言い渡されました。
 1ランクの性能引き下げは、リストリクターもしくは車重で行われますが、車重の場合50kgの重りを積むこととなりました。そのため、シーズン開幕前のテストで好タイムを記録したにも関わらず、シリーズでは期待された速さを発揮することは出来ませんでした。
 JIM GAINER Internationalでは、新しいフェラーリ430用のエンジンを開発することを望んでいました。しかし、未だフェラーリ430そのものがホモロゲイションを取得していないことから、特認申請が必要であることが判明しました。
 そこで「どうせ特認扱いとなるなら、新たに大金を投入してレース用に開発するより、既に完成しているレース用エンジンと積み替えてしまった方が、大きな可能性を持っているだろう」と考え、S101でお馴染みの無限MF408Sに積み替えることとなりました。
 JIM GAINER Internationalのフェラーリ360に搭載されたMF408Sは、S101に積まれていたものと違って、500cc大きな4.5リットルの排気量を持っています。しかし、レース専用として開発されたことから、逆に軽く仕上がっています。
 4.5リットルの排気量は、(3.5リットルの上は4.5リットルまで)という、SUPER GTのレギュレーションに対応させたためで、もちろん、小さなリストリクターを組み合わせることとなり、最大出力は多少小さくなってしまます。しかし、トルクは圧倒的に大きくなっています。そのため、シェイクダウン走行となった昨日は、ギア比が合わなくて、低いギアではホイールスピンに苦しめられました。高いギア比に組み替えた結果、今日の午前中のセッションではトップタイムを記録しました。
 今回のレースから、シーズン開幕直前に言い渡された、1ランクの性能引き下げ処置が撤回されています。そのため、皮肉なことに、午後のセッションでは、フェラーリ製3.6リットルエンジンを積む#10 MACH-GO FERRARI DUNLOPと、無限MF408Sを積む#11 JIM GAINER FERRARI DUNLOPは、しばらくの間、タイムボードの最上位に並んでいました。もちろん、これから開発を行う段階ですから、セッション終了直前、トップタイムの座は奪われてしまいましたが、大きな可能性を持つことは間違いないようです。

GT300
4 #10 MACH-GO FERRARI DUNLOP1分55秒651
5 #11 JIM GAINER FERRARI DUNLOP1分55秒684
10 #0 EBBRO M-TEC NSX1分56秒598