2008.Jun.01 LeMans TestDay Report1













鈴木英紀レポート

ルマンは、コースの多くが公道であるため、事前にテスト走行を行うことが出来ません。そのため、ACOは、本番のレースウィーク前、1回だけテストディを設けています。以前テストディは、本番レースの1ヶ月前、5月初めに行われていました。しかし、アメリカや日本から参加するチームは、1ヶ月半の間に2回も地球を半周してマシンを輸送しなければならないため、2005年から、本番のレースウィークの1週間前に、テストディは行われるようになりました。

今年もルマンのテストディの時期となりました。先週スパ-フランコルシャンで最後のテスト走行を行った後、童夢はガレージでチェックを行うと、直ぐルマンにS102を運び込みました。

スパ-フランコルシャンの後、電気系やサスペンション等に様々な改良が施されました。しかし、ルマンへやって来たS102が、これまでと最も違った点は、メインスポンサーの名前が描かれたことでしょう。
林みのるは、童夢グループの一員である童夢カーボンマジックを、S102のスポンサーとして決定しました。

今週末ルマンで行われるテストディは、金曜日(30日)と土曜日(31日)の2日間で車検が行われ、日曜日(6月1日)、8時間にわたってテスト走行が行われます。No.11の童夢S102の車検は土曜日に行われました。
童夢は、最後のチェックのため、金曜日(30日)夕方、サルテサーキット隣りの飛行場で、テスト走行を行いました。と言っても、セッティングを行うためでなく、様々なシステムチェックが目的でした。

1,400mの滑走路を行ったりきたりするだけですが、ゼロ発進でも、一応6速ギアに入るため、297km/hの最高速度を記録しました。システムシェックには打って付けのコースと言えるかもしれません。
様々なシステムのチェックを行った後、最後にドライバー交代の練習を行って、テストを終了しました。

土曜日(31日)朝9時から参加確認が、9時40分から車検が行われました。
S102は、ACOのレギュレーションブックの隅々まで研究することによって、完成しています。そのため、童夢は、ACOに確認を取りながら、S102の開発を進めました。しかし、ライバル達にとっては、S102の秘密を知る初めての機会となったようです。
ACOの車検委員の何人かも、S102を見るのが初めてだったようですが、もちろん、何も問題なく、車検は終了しました。

童夢の車検が終了した後、午後になって、ルマンは雷を伴った激しい雨に見舞われています。ユノディエールを走る一般のクルマが、ハザードランプを点頭してスロー走行するような豪雨です。
今日中に雨が止んで、たった1度の機会である、明日のテスト走行がドライコンディションで行われることを望みます。